羽根幸浩のS耐日記通算16回 フラストレーションが爆発しそう!
2002年04月26日
待ちに待った02シーズンの全日本GT選手権が開幕。
我らが羽根選手は、事実上のシェイクダウンとなったGT3Rに苦しんでいます。
がんばれ! 羽根選手。
みなさんも、盛大なる応援よろしく。
JGTC第1戦、TIサーキット英田。
レースウィークの12日の木曜、初めてタイサンのGT3Rをドライブしました。
今年僕が乗るマシンは、レギュレーションの関係でサスペンションスペックを昨年とは違った仕様にしてあるため、事実上、28号車はシェイクダウンということになります。
最初の30分の走行でのフィーリングは、週末の結果を予想するに十分な不安を残すものでした。まったく違いすぎるのです。僕の中にあるGT3Rとは。それは、ポルシェというレーシングカーのイメージを根底からくつがえすほど、すべてのフィーリングが違っていました。
この時点で最善の方向性を見出せるほど、たやすい状態に僕たちの車はなかったと思います。
木曜の3時間を使って、メカニックと話し合いながらセッテイングを進めますが、出口が見える状態には至りませんでした。
チームによって、それぞれのスタイル、セッテイングの進め方があるもので、ここではそれに従っていたつもりでした。僕にもチームにもそれぞれ遠慮があって、これといった決め手を欠く状態で、時間だけが過ぎていきます。これほど歯がゆい思いも久しぶりなぐらい……。
問題は、大きく分けて2つ。
オーバーステアとブレーキのロックが激しいことでした。
オーバーステアは、自分の思っているスピードでターンインして行くと必ずリアがブレイク! リアが出ないようにするためには、かなりスピードを抑えて進入し、スムーズに脱出するしか仕方がない。しかし、タイム差を考えると、そんなことやっている場合ではなく……。
何とかしなければならない最重要課題!
ブレーキはフロントタイヤの接地性が悪く、直進時の制動以外はまったくといっていいほど、コントロール性がなかった。ブレーキに関しては、パットを替えて張り付きにくくすることでとりあえずの応急処置としたが、根本的な解決にはならなかった。
好調な24号車と比べると、差がありすぎるタイムに焦らないといったら嘘になってしまう。しかし、いろいろなことを試したけど、確信できる方向性は予選を通じて見つからなかった。
決勝の前に、大きく車のセッティングを変えることは難しく、今回のレースは自分たちができる精一杯のペースをミスなく重ねていくしかない。それが最善策でした。悲しいけど、今回はこれしかない。そう思ってレースはスタートしました。
前にいる車は、予選で僕たちの車より速かったということで、当たり前の話だけど、1周のタイムは僕たちよりも速いはず。
僕のパートの間に6台は抜きたいな、なんて軽い気持ちで思っていた通り、何とか予定通り? 義務を果たしてバトンタッチ。ミスもあったが、何とか帳尻は合った。
相棒も無難に周回をこなし、11番手でフィニッシュ。
結局、実際の予定よりは1台後ろになってレースを終えることに。
もう、フラストレーションが爆発しそう!
次回は何とか汚名を返上しようと思います。
みなさん、期待して応援してください!