羽根幸浩のS耐日記第8回 この3年間、レーシングポルシェで走った距離は日本一でしょう。エヘン。
2001年09月27日
2001年シーズンのフライジンガーとのシート契約が前半5戦というものだった羽根選手。その後、引き続きシートを得られそうに思えたが、今シーズンのフライジンガーの成績が芳しくないため、2カー体勢が1カーとなり、当初の契約通り残念ながらシートを失ってしました。
今後は、番外編という形で、いろいろとこの3年間のFIA GTのこと、来シーズンのこと、ポルシェについて思っていること、など書いてもらおうと考えています。
少しご無沙汰していました。当初の予定どおり(あんまりありがたいことじゃないけれども)FIAの方は、前半の5戦で終了……(編集部注/羽根選手の今シーズンのシート契約は、前半 5レースのみというものでした)。スパ24時間はフライジンガーから出るはずだったのですが、ドタキャンされてしまった!! こうなりゃ、鈴鹿 1000kmでとりあえずお茶を濁して……、と暇なはずなのにこの原稿書く暇はない! ネタがないんで、巻き戻して書いちゃおかな?
ヨーロッパでレースをしてきたこの3年、いろいろなことがあったわけです。人には言えない悩みやら、なにやら。特に珍道中は、一冊の本になるぐらい。昼も夜も大暴れしてきた経験は、一般のツーリストでは体験できない貴重なもの(?)。ま、それを望まない人には余計なものなんだけど……。
この3年間、ほんとうにポルシェにどっぷり浸かってきたから、レーシングポルシェの走行距離は、間違いなく日本一でしょう。エヘン!
振り返れば、99年シーズンは、FIAの3時間レースを10戦と鈴鹿、富士の1000km、ロードアトランタ1000マイル、日本のGT少々、N1少々。2000年シーズンは、FIAの10戦に加え、ル・マン24時間、ニュルブル24時間、鈴鹿 1000Km、日本のGT少々。2001年シーズンは、いまのところデイトナ24時間、FIA5戦、鈴鹿1000km、日本のGTを3レース。
いったいどれ位の距離を走ったことになるんだろう。何回シフトして、何回ブレーキ踏んだんだろう。思い起こすと、なんだか気持ち悪くなっちゃう。ナンテ。
それでも、まだまだドライビングテクニックが上手くなってる気がするんだから、ドライビングはホンと奥深いと思う。“気持ち悪くなっちゃう”で思い出したけど、ひょっとするとレーシングドライバーとしての移動距離は、世界一かもしれない! 調べたわけじゃないんで、定かではないけど(当たり前か)。 FIAの1戦ごと、ヨーロッパの開催国と日本との往復をしてきたわけだからね。「お前は、こっちに住め!」って言われたりしたんだけど、そうもいかないお家の事情があって。飛行機で往復してなきゃ、もっと速いかも?(言い訳か)
ちなみに、チケットはエコノミーしか買ったことないんだけど、それぐらい乗ると、半分はマイレージでビジネスになっちゃう位乗ってるんだよなァ! 航空会社には、超お得意様だったりして……。
ここで、長旅を疲れないで過ごすコツをお教えしちゃいます。
一言で言うと“慣れ”です。え? 身も蓋もない答えだって? いや、正直なところこれしかないんです。人間、不思議と慣れちゃうんだよなァ、これが!
はじめによくやったのが、出発前寝ずに空港へ行って、乗ったとたんに寝ちゃう! って作戦。ま、これは途中で身体が痛くて起きちゃうのが難点。8時間ぐらいなら、これで稼げるね! ただ、機内食の時間とかで起こされちゃうと最悪なんだけど。
到着したその日は、時差ぼけで眠くてしょうがないけど、絶対に夜まで寝ないこと。寝ちゃうと、夜中にまた目が覚めちゃう。ここで調整していかないと、レースウイークの昼間がボケちゃってレースは最悪ってことになりかねない。これで、レースウイークの週末は、早寝早起きの健康的な生活が送れるわけ!
帰りは、疲れたまま飛行機に乗っちゃえば、起きたら日本ってのが最高だね! ところが、遊んでから帰っちゃったりすると、休養十分で心身ともに満たされているから、飛行機の中で寝られなくなっちゃって……。混んでるときは、拷問に近いものがある。日本に帰ってからは、時差ぼけで遅寝遅起きが2、3日は続く。ま、これは時差ぼけなど関係なく、ただ朝弱いだけなんだけど。
何はともあれ、飛行機での長時間移動の極意は、疲れて寝ること!! これに勝るものはないね!
酒飲んで寝ちゃうってのも手だけど、あいにく僕は飲めないんで。
みなさん、海外から帰国の際は、居眠り運転には注意しましょう。チャンチャン。