羽根幸浩のS耐日記通算31回 惜しくも表彰台を逃がし4位
2003年07月10日
03/6/14~6/15 スーパー耐久第3戦 富士スピードウェイ
スーパー耐久も3戦目。今回のステージは、ハイスピードバトルが見られる富士スピードウェイです。しかし、ここはトップスピードの速いスカイラインが圧倒的に有利なサーキット。我らが羽根選手のチーム・アドバンは、手負いの傷を負いながらも、辛うじて4位に入ったのでした。
第3戦富士は、梅雨入り宣言とともにレースウイークに突入。御殿場地方の天気予報で「ところにより……」っていうのは、富士スピードウェイのこと。降水確率が25%以上だったらほぼ間違いなく雨!! なレースウイーク。木曜は何とか1回ドライタイヤで走ることができ、今回から使う予定のエアロパーツのテストを行いました。S耐では、エアロパーツを登録制で使用することができます。決まりはありますが、GTとは若干異なり、販売していることを前提にエアロ委員会の申請が通ればレースで使用することが可能です。
我々のチームは、若干他のチームより後れを取りましたが、やっと申請が通り今回から使用することになったわけです。しかし、富士の場合ストレートスピードがタイムに及ぼす影響が大きいため、ドラッグが大きくなりすぎるとマイナス面の方が大きくなります。そこのところを確認したかったわけで、どうしてもドライで走っておく必要がありました。
走行結果は、前後のバランス的には悪くなく、コーナーリングスピードは確実に上がっていました。問題のストレートは、8km/h遅くなり検討が必要という結果で終わり!
金曜は雨、雨の場合ダウンフォースがあった方がタイム的にも良く、今週はこのままかな? と思っていたところ、スカイラインの某チームからクレームがついた。問題は解釈の違い。ですが、内容は、それって屁理屈じゃない? といった感じ。いろいろ、話し合いは監督が行ったようですが、結局外さなくてはならなくなってしまい、それまでの走行データーがパー! 予選を前にして、振り出しに戻ってしまったわけです。
予選でのクルマのバランスはあまり良い状態ではなく、ストレートスピードの速いスカイラインにはとても届きそうにはありませんでした。なんか納得いかない。それでも雨なら何とかなるのではないかと期待していましたが、決勝はドライ。
スタートの織戸選手は前半調子よく、ファルケンポルシェとスカイラインを1台交わして順調に追い上げていきました。ところが後半、ペースが落ち、再びスカイラインにかわされてしまいます。どうやら、クラッチにトラブルが出たようで、振動がありシフトが入りづらい様子。
予定より少し早めにドライバーチェンジ。ボクが走り出し、あまりに酷い状況なのでピットに指示を仰ぎます。
ボク「振動が酷いんだけど……。最後まで持ちそうにないよ。とりあえず、行けるとこまで行く? 完走狙いにする?」
ピット「完走させるように努力してください!」
ボク「了解!」
ピット「ところで、どんな感じですか?」
ボク「シフトダウンのときのショックが、一番良くないっすね」
ピット「了解」
それから、エンジンブレーキを使うのをやめ、回転を落として限りなくスムーズでショックの少ない運転を心がけたわけです。何周かすると、最終コーナーで多重クラッシュ。ペースカーが入ります。ちょうどボクの2台前に。マジかよおい? そこ先頭じゃないぞ。
ボク「ちょ、ちょっと、ペースカー、トップ抑えないよ!?」
ピット「このレースは、押さえません」
ボク「適当なところで入っちゃうわけ?」マジ?
ドライバーズミーティングでも言ってたらしい。聞いてなかったボクが悪いんだけど……。この時点で、トップのエンドレス・スカイラインと抜かれてしまったピレリからは、1周遅れにされてしまったわけです。クソ
今週は、納得行かないことだらけ! 20秒ほど後方にいたファルケンは、このタイミングにピットイン。これが最後に効いてきた。侮れないな~まったく。ファルケンの場合、ペースカーのずいぶん後方にいたので、ペースカーが入ったのを確認して余裕でピットインできたわけ。しかも、ロスタイムは少なくて済んじゃう。
レース再開後は、ファルケンとのマッチレース。傷を負った僕たちの方が不利ですが、完走狙いとは言いつつも、何とかしなきゃー! 2回目のピットで織戸選手に再び交代。この時点でファルケンには前に行かれてしまいますが、2回目を早めに入っているため、もう1回給油に入るはず。少しずつ追い上げているから、ピットタイムによっては入れ替わる、といった状態。そして……。
ファルケン、ピットイン!
しかし、タイヤ替えないの? アドバン号の10秒前にコースイン。タイヤを替えていないのでペースが上がらず、残り周回で何とか入れ替わるかな。そんな様相。織戸選手もプッシュ。何とか届きそう、と思っていたところで、クルマが音を上げてペースダウン。何とか完走、4位でフィニッシュとなりました。
感想は、よくクルマが持ったな。次、ガンバロって感じですか……。