羽根幸浩のS耐日記通算33回 十勝の長~いレースの始まりです。まずは前編。
2003年08月11日
03/7/19~7/20 スーパー耐久第5戦 十勝インターナショナルスピードウェイ
羽根選手が参戦した十勝24時間レースは、これまで3回。その内、総合優勝1回、クラス優勝2回と全戦全勝。羽根選手にとっては、とてもゲンのいいレースでもあります。
さて、羽根選手の全戦全勝神話は今年の十勝でも続くのか!?
いよいよスタートです。
スーパー耐久シリーズも折り返しの第5戦、十勝24時間を迎えました。このレースは、唯一スピードでGT-Rと勝負できるところなため、ポルシェの中でどこが優勝するか? というところが、興味の中心でした。当然チーム・アドバンも狙っているわけで、かなりの接戦が予想されていました。
今年で10年目のこの24時間レースは僕自身4回目の出場で、第1回目の総合優勝(スカイラインGT-R)含め、2回のクラス優勝と全戦全勝の縁起のいいレースとあって気合も入ります。ドライバーは、レギュラーの僕と織戸選手に加え、谷口選手の3人体制です。谷口選手は、すでに開幕戦の仙台ハイランドでこのクルマのドライブを経験しているため、万全の布陣といえます。
24 時間レースで最も重要なことは、クルマを壊さないこと。駆動系、エンジン、ブレーキ、サスペンションに負担をかけないドライビングが重要です。タイムは、想定タイムを誤差なく淡々と刻むこと。あとは、アクシデントに遭遇しないよう、細心の注意を払うこと、といったところです。
これはどこも同じことを考えているはずで、その中で差をつけるには、ピット作業の時間であったり、トラブルへの対応の速さが問われるわけです。長いレース、予定通りに何もないことは、ありえないと言っても過言ではありません。そして必要となったとき、相手にプレッシャーをかけられるスピードでプッシュできるか、クルマがそういう状態であるか、といったところが、勝負どころになります。最初に逃げちゃって、後半、相手に合わせてクルマと相談しながらペースをコントロールできれば……。これは、王道でしょう。しかし、なかなか逃げさせてはくれないでしょうが……。
アドバン号。スタート直前、エキゾーストにクラックが発見されたために、ピットスタートに。どうなるアドバンポルシェ!? ちなみに、今回からフロントバンパー形状が変わっています |
金曜、土曜とクルマの仕上がりは順調。今回から、僕好みにセットアップを合わせてもらっているのでハンドリングは、バッチリです。しかし、心配が何もないというわけではなく、ブレーキは相変わらずで、旋回ブレーキがまったく使えません。接戦になった時は、ちょっとつらい。あと、ラップタイムが車載のモニターに出ないため、走ってるい間に飽きちゃって集中力を欠くのが心配。実は、これが一番心配でした。
何とかなんないのー? とメカニックにお願いしても、ない物は北の果てではどうしょうもなく、結局無線で言ってもらうことにしました。
このレースは予選がなく、総合ポイントの順でグリットが決まっています。GTの車両1台とクラス2の1台のあと、5番手でスタートすることになります。まあ、長~いレースなので、スタート順位は大きく影響はないでしょう。
今回、スタートドライバーは僕。いよいよコースイン!
あれ、あれ、エアジャッキが降りないじゃん! ウソ!? ピット出口がクローズドになる時間には、間に合いそうもない。それもそのはず、エキゾーストにクラックが発見され、急きょ交換。ピットスタートを余儀なくされてしまいました。ま、これは、スタート前に見つかって良かったとしておきましょう。
全車がストレートを通過し、ピット出口のシグナルが青に変わると、みんなよりちょっと遅れて24時間レースがスタートしました。