羽根幸浩のS耐日記通算36回 絶好調だったのに~ッ!
2003年09月26日
03/9/6~9/7 スーパー耐久第6戦 TIサーキット英田
練習走行絶好調、予選2位、決勝2周目からブッチギリトップ! こりゃ、楽勝楽勝の優勝かと思われたのですが、勝利の女神ってどこにいるんでしょうか? きっと、そこらあたりの喫茶店で、漫画でも読みながらコーヒーすすってんでしょう。
十勝から1ヶ月開けてTIサーキットにやってきました。
TI サーキットは、どちらというとポルシェ向きのコース。打倒スカイラインを何とか成し遂げるべく、1ヶ月の間いろいろと「タマ」をぶち込んで、気合マンマン乗り込みました。新しいスポイラーとサスペンションパーツを持ち込んで、木曜のセットアップは僕が担当してクルマを煮詰めていきます。走り出しから、結構調子いい! ブレーキの問題だけ解決すれば、かなりいい線まで行きそうな感触。ガソリンを多めに積んでの決勝を想定した走行でも、まずまずの出来。納得できる仕上がりでした。金曜日の時点でも、毎セッショントップタイムを記録し、ブレーキも我慢できる範囲には収まってきました。決勝を想定したロングランも順調にこなし、どちらかと言うとあんまりタイム出さない方がいいんじゃない? なんて、織戸選手と話していたぐらい!
しかし、今年の夏はおかしい。鈴鹿1000kmぐらいから夏? になった感じで、レースウィークの水曜は、今年の最高気温を記録していました。木曜、金曜も真夏! 暑い!
こうなってくると、熱によるトラブルとパワーダウンが問題になってきます。案の定、走り始めの水温が低い状態と、水温が上がりきってからでは0.5秒ぐらいのラップタイム差があり、10馬力以上はパワーも落ちていると思われます。ショックやブレーキも熱ダレして、クルマの操縦性はかなり悪くなります。そのあたりの対策と、それに合わせたセットアップが今回の鍵になりそうです。しかし、今回に限っては自信あり! クルマがうまく仕上がっているので、ペースをコントロールして諸問題に対応する余裕が生まれています。
土曜の予選は、後で雨が降りそうと予想して、僕たちは1回目の予選にアタックを行いました。他の1クラスは、1台も出てこなかったけど。このとき、37秒5で暫定ポールを決めます。
15 時を回る頃に行われる混走の予選の時に、スカイラインに抜かれて2位に落ちてしまいました。が、これは路面温度や気温が下がって条件が良くなったからだと思う。それに、雨は降らなかったし。雨が降るなんてデマ飛ばしたのはダレ? なんて話にもなっていましたが、とりあえず2位。感触は十分。この時点では、かなり勝利を意識していました。タイヤもライフ、熱ともに問題なさそうで、ここにきてS耐のクルマに合ってきた感じ。
決勝の日曜日もかなり暑く、400km1ストップを想定するレースでは、ワンスティント1 時間30以上のドライビングとなります。注意しなくてはならないのは、暑さで集中力を欠かないようにすること。クルマに関しては、唯一燃費だけが心配で、最後の数周でペースをコントロールする必要があるかも? と言ったところ。あとは自信満々!
スタート2周目で、予定通り(?)織戸選手がスカイラインを抜きトップに立ちます。そこからは、約1秒ペースで引き離していき、2位と20秒差。一度は、ペースカーが入りその差を失ったものの、交代までにはまた同じぐらいの差を付けて、スケジュール通りのドライバー交代を迎えます。ピットロードに出て入ってくるクルマを見ていると……。あれ!? フラフラしてる。
ドライバー交代を済ませて、エンジンをかける準備をしていてもクルマがなかなかジャッキアップから下りません。ボンネットを開けて、なにやら見ている。クルマを見ている織戸選手に目をやると、首を横に振っている。何やらトラブルが出た様子。その待ち時間は、異常に長く感じられました。
事実、それによって勝利の権利は失われました。修復を終えコースに復帰すると、無線でクルマの状態の説明がありました。サスペンションの取り付け部が壊れたようです。応急処置したものの、やはりハンドリングは完全なものではなく、とりあえず走ることはできましたが……。残り18周のところで、サスペンションの再び異変を感じてピットに入り、なんとか完走だけはできました。なんか、やりきれない気持ちで炎天下のなか1時間半を走り続けるのは、目標をなくした今回はとても辛く、今までにない長い時間でした。レースは何があるか分かりません。しかし、今回は何も起こる気がしなかった。
次回は、ほんと怒っちゃいます!!