羽根幸浩のS耐日記通算21回 マシンの調子はグッドだけれど、思うように結果が出ず(前編)
2002年08月22日
ここまで、ツキに見放されたこともあり、なかなか思うようにリザルトを残せていない羽根選手。28号車の得意な富士に大いなる期待をかけて望んだのですが……。
いきなりなんですが、超期待の富士も残念な結果に終わってしまいました。
今のポルシェにとって富士だけが、可能性の残ったレース。自力でそこそこいけそうなのは、富士だけかもしれません。
今回は、木曜の午後から走り出しました。路面が少し濡れた状態からドライに変わっていく中、僕たちはスリックになるのを待ってコースイン。このセッションでブレーキのテストを行う予定でした。ところが、ストレートを1回通過してピットイン。エンジンの調子が悪く、1気筒死んでいる感じ。電気系のトラブルか、本体に原因があるのか、結局分からずそのまま終了。参ったな~って感じです。
前にも言いましたが、調子は上がり基調。結果に結びついていませんが、それなりにはマシンも良くなって来ています。ここ富士は、結果を残す可能性の非常に高いサーキット、期待してきただけに雲行きが怪しくなってきました。
普段は気さくな羽根選手ですが、さすがに決勝直前はピンと張りつめたオーラを漂わせており、側まで近づけても声はかけられません | |
マシンの根本的な問題は、マシンをそっくり変えないと解決しないぐらい深刻なものです。が、変えられる可能性のない今の状況では、なかなか良くやっていると僕は思っています。散々使ってきたシャシーなだけに、今のハイグリップタイヤの性能を引き出すには少々無理があるかもしれません。ブレーキングを残して回り込んでいくコーナーの少ない富士は、僕ら28号車にとっては、唯一やさしい条件のサーキットだったわけです。
金曜の走行までにはエンジンの問題は解決し、スケジュール通り走り出すことができました。ブレーキテストを終えたあと、今までと違ったブレーキパッドとディスクの組み合わせで行くことに決めました。長い付き合いになっている(?)ミッションの調子が悪いのも変わっていませんが(これは今一番の問題)、午前中の走行は8番時計。そんなに悪くありません。
多少の問題はありますが、セッテイング的には今までと違って何とかなりそうな感じ! 午後は、タイトコーナーでのアンダーステアを直すべくセッテイングを進めます。マシン的には、あまりブレーキを残さずに曲がるようにしていきたいところです。というのも、ブレーキを残して曲げるのは、僕たちのマシンにとっては、良くない症状を誘発するんで。
午後のセッションは少し順位を下げましたが、セッティング的には良くなってきました。ただ、シフトダウン時にギアが非常に入りにくく、ブレーキングを詰めていくことが出来なくて、結果的に流して走る状態でした。それさえ直れば……。何とかしてもらえるよう、メカに頼るしか方法はありません。(後編に続く)
羽根選手の腕に“911DAYS”ワッペン | 羽根選手が駆るタイサン28号車。黒/赤のアドバンカラーがカッコイイ |