羽根幸浩のS耐日記通算24回 今シーズン、初めて合同テストに参加しました
2002年10月15日
GTの合同テストに、今シーズン初めて参加した羽根選手と28号車。テスト結果も上々で、10月26、27日のMINEの期待もいやが応にも盛り上がってきました。今度こそイケるぞ!
今年、初めてGTの事前テストに参加することができました。場所は鈴鹿サーキットです。
通常は、レースサーキットごとに2日間(約8時間)の事前テストデーが設けられています。単独テストは、シーズン中は禁止されているので、この合同テストデーに参加する以外に、レースが行われるサーキットをレースカーで走ることはできません。
有力チーム? のほとんどは、このテストに参加しマシンの調整や新しいパーツのテスト、タイヤとマシンのマッチングなどを確認し、レースウィークに望みます。このテストに参加しているのといないのとでは、マシンの仕上がりに確実な差が出るのは、言うまでもありません。
チーム・タイサンも24、26号車は、当然毎回参加していますが、28、55号車は、今回が初めての参加となります。とはいっても、2日間のうち、28、55号車は1日ずつですが……。
しかしながら、初テスト(今年はこれが最後のテスト)に参加させてもらったことにより、いくつかの問題を事前に確認することができ、MINE、鈴鹿のレースは、今までと違ってある程度状況に応じた対策を持って望むことができそうです。ツインリンクもてぎの結果を見て、チームから期待されてこのテストに参加させてもらったわけで、なんとか期待に添う結果を残さないと、いいかげんマズイでしょう。
まあ、そんな状況の中戦ってきた今年は、かなりマシン的に苦戦してきましたが、ここにきてやっと明るい兆しが見えてきたように思います。状況を考えれば、自分なりにはよくやってると思いますが……。周りにそれを伝えるには、結果を示さないと分かってもらえないのも事実でしょう。
鈴鹿のテストでの感触は、走り出しの濡れた状態では、アンダーステアに悩みましたが、ドライになってからは、いい感じでメニューをこなすことができました。
持病であるトランスミッションの問題も、なんとか原因を究明することができたのが大きかった。MINEに向けて、これはとても明るい材料です。これだけでも、テストにきた甲斐は大アリ。いつもレースウィークに、ドタバタ積み降ろししていたミッションの問題を考えなくて良ければ、その分セッティングに集中することができます。なにせ、今年に入ってからレースウィークの規定の全セッション走れたことは一度もないんですから……。レースウィークの1セッションは、前にも言いました(通算23回目)が、確実なタイム差となってきます。
サスペンションに関しては、新しい仕様のショックやスプリングレートを試しました。ストライクとまではいきませんが、方向性だけは確認することができました。空力デバイスも含めてアンダーステア対策をして、次のMINEに望むことになると思います。
以前、どこのコーナーでもオーバーステアでトラクション不足に悩んでいたのが、今では嘘のようなアンダーセッティング。ショックアブソーバーの役割が、いかに重要か改めて思い知らされたものです。マシンの調子がよくないときは、どのパーツでも疑ってかからないとダメだな、と言うことも改めて勉強できましたし。
実際、アンダーステア傾向なので、決して満足のいくハンドリングではありません。が、タイムはその割には悪くないと思います。MINEの次の鈴鹿は、ウェイトを積んでいると仮定しても、テスト以上のタイムは間違いなく出るでしょう。
たった1日のテストでしたが、成果は十分にあったと思います。2日目は、天気も良くなく、テストにはあまりなっていなかったようで、そういう意味では、運も良かったですね。(編集部注:テストデーの順位は6位。ポルシェ勢の中で2位の好タイム)