羽根幸浩のS耐日記通算25回 速さは十二分。結果は、……なんでこうなるの?
2002年11月21日
ポルシェ勢の中でトップタイムを叩き出せるまでに、ようやくマシンをセッティングできた羽根選手は、MIMEの予選1回目で実際にポルシェ勢トップの5位のポジションをもぎ取る。
マシンのセッティングは悪くない。羽根選手の気力も充実。タイムも上々。
鬼門は……、そうマシントラブルです。
やっと調子が出てきたところですが、残りはわずか2戦……。
ついにここまで来ちゃいました。正直ツインリンクもてぎ以降は調子悪くないです。よく見ていただければ分かりますが、タイム的には他のマシンと何の遜色もないし、うまく噛み合わないというか、苦労癖がついてしまったというか、結果が伴わないのが不思議なぐらいです。まあ、それも含めてチーム力というか実力なんだろうけど……。納得いかない!
今までにこんな年も何度かあったけど、そこで学んだ教訓は「黙ってやんなさい」ってこと。
ここ美祢は、僕自身2年ぶり久々のレースです。レイアウト的には、ツインリンクもてぎ同様ポルシェには向いていると思います。鈴鹿のテスト以来、トラブル以外の不安要素はほとんどなくいい仕上がりでレースウイークを迎えることがやっとできました(時すでに遅しとも言うが?)。
木曜の走り出しからメニューは順調に消化でき、タイムには予選でもいい順位が狙えそうな手ごたえがありました。ここでは、どうすればタイムが上がるか見えていたというか、行き着くところは木曜のフリー走行である程度想像がついていました。ようするに、29秒をどれだけ切れるか。
どちらかと言うと、車のフィーリングがタイムに反映しにくいここのコースは、迷いが出がちで、外すとトンでもないことになりかねません。間違いなく予選は接近戦になりますが、逆に29秒を切っておけばそんなに悪くはないと思われました。金曜日には、いくつかの新しいことを試す余裕もあり、28秒台は射程距離? 予定では、予選は4番手あたりがいいな、ウェイト積まなくていいし、なんてことまで考えていました。
土曜は、天候が怪しくいつ雨が降ってもおかしくない状態で、予選はスタートしました。
こうなると、1回目にタイヤを2セット使うかどうかが、ひとつの賭けになってきます。気温が低くフロントタイヤの暖まるのが遅いため、ベストを5周目に持って行くつもりで、ゆっくりめのスタートを切ります。
ところが、いきなりスピン車両続出! 黄旗だらけで予選アタックができるような状態ではありません。慌てて、なんとかクリアラップを探して1周だけアタックできましたが、完全にフロントが暖まった状態になる前にまた黄旗! 勘弁してよ、って感じで1回目終了してしまいました。もっと早く出て行けばよかった! 順位は5位でしたが、上位の車は予選開始早々にタイムを出しており、ちょっとタイミングを外したかな? という感じ。しかしとりあえず28秒台には入って、2回目の感触は十分でした。
そんな自信満々の2回目は、またもや開始早々に他車のエンジンブローでコース上にオイルが撒かれ赤旗中断。少ない残り時間に、今度は出遅れないよう早い段階からアタックをかけていきました。ところが、アタックに入った最初の周にシケイン出口で車が突然、あッち向いてホイ! なんとか当たらずには済みましたが、ここで予選を終えることになってしまいました。右リアのロワアームが「ポキリ」と行っていました。
結局3台に抜かれ8番手、自信があっただけにクヤシー!
日曜決勝スタートは、相棒に任せてできればフロントタイヤ無交換で行きたい作戦。
順位キープで戻って来てくれれば、うまく行けばお立ち台には手が届く。ほんとにMINEは自信があった。スタート時の混乱で順位を上げてヨシヨシ! 裏のコーナーで見ていました。
5周を過ぎたあたりで、ピットに戻るとアレ? 28号車がいるじゃないの。なんでここにいるの? マジ? シャレになんないって。はああぁぁぁ……。
原因は、トランスミッションリンケージのトラブル。結局、リタイアすることになってしまいました。実に短い一日でした。これ以上は、もう話したくないね!