全国のボクスター乗りから「ボクスターのページよかったですよ」というお便りがポツポツと届きつつある今日この頃。中でもドレスアップのコーナーは2.5と2.7のインプレッションとともにかなり評価がよかった様子。そこで、ここではそんなドレスアップカーの撮影こぼれ話を紹介します。 |
ボクスター特集を組むにあたって、このドレスアップカーの紹介を入れようというのは、最初、編集長 日比野からの提案でした。
話を聞くと、昨年の東京モーターショーでドレスアップされた見た黄色いボクスターが出展されていて、そのカッコよさが脳裏に焼き付いて、未だに離れられないとのこと。そういえば、街で見かけるボクスターはノーマルがほとんど(少なくとも外観は)。それじゃあ逆に、こっちからパーツリストと合わせてこんなこともできるよという提案をしても面白いかも、ということでこのページの企画がスタートしました。
そのほかにもドレスアップのお手本になるようなデモカーはないかと探してみると……ありますあります。思った以上に各ショップともボクスターに力を入れているようです。その中でコンサバ、ゴージャス、カジュアルの3系統に合致するボクスターを選びました。
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ぶっちゃけると、こういう場合の車両手配の段取りはあまり大変なことではありません。だって、どこにクルマがあるのか最初から分かってるんですから。雲を掴むような想いでレアなモデルを探さなきゃならない時や、体力の限界に挑戦するようなグラビアや表紙の撮影とは違います。
まずは日比野イチオシの黄色いボクスターを持っているポルシェ ジャパン広報室にアポを取ってみました。
担当者に企画の趣旨を説明して、車両の貸し出しをお願いすると「ええ、こちらこそお願いします」という、まさにふたつ返事のOK。お、幸先いいじゃん。と内心ほくそえみつつ、撮影の具体的なスケジュールを伝えると、その日はちょうど大阪のモーターショーの最終日で、そちらに出展していて撮影は不可能とのこと。んん、それは残念だけどしょうがない。じゃあその次の日は?
「それがですね〜。その翌日から北海道に行っちゃうんですよ」
ホホ、北海道!?
詳しく聞けば、年明けから2月の上旬まで各地のモーターショーに出展されるため、お目当てのボクスターは日本全国を飛びまわる予定とのこと。また連絡しますと言って、とりあえずその場は電話を切りました。
う〜ん。北海道に1泊して撮影なんて、さすがに予算が許しません。いっそのこと現地のカメラマンにお願いして撮ってもらうという手もありますが、さすがにそんなツテもない……。あー困った困った。
妊婦のようにウンウン唸ること30分。突然フッとあるプランを思いつきました。いや、正確には最初から考えていたので、ようやくハラが決まったというべきでしょうか。そのプランとは、0泊2日で移動&撮影をして帰ってくるというもの。オリンピックやワールドカップの時にあった、いわゆる「弾丸ツアー」というやつです。しかも飛行機は高すぎるのでフェリーを使っての移動。これならかなり予算を抑えることができそう。これならイケルか!?
ゲンバラのビターボGTR500について補足。本誌では外装パーツのみの紹介でしたが、内装パーツもスゴイ。赤いレーザーを基調に、バケットシート、ステアリングをゲンバラオリジナルに変更。さらにインパネ、やエアコンの噴出し口の周りなどをシルバーにしてかなり手の込んだ造りになっています | |
いったん開き直ると「フェリーってのもなかなか趣があっていいよな」なんて訳の分からん余裕がでてきました。「金がなけりゃ、頭を使え。それもなけりゃカラダを使え」とはよく言ったものです。なんか、自信もないのに体を使わなきゃならない自分が微妙にイヤですが……。
ともあれ、方針が決まったら後は行動するのみ。まずはPJに電話だ!! と意気込んで受話器を取ったところで、いきなり着信音が。とりあえず出てみると、電話の主はこちらから電話しようと思っていたPJの担当者。電話の内容はなんと北海道の次に名古屋で輸入車ショーが行われるとのこと。
プシュー!!(空気が抜ける音)
意気込んでパンパンに膨らんでたものだから、思いっきり肩透かしを食らった気分。まあ、北海道に行くよりははるかに手間がなくていいんですけどね。というわけで名古屋輸入車ショーの事務局に了解を取って、開場前に撮影したのがP98の写真です。
それにしても、「弾丸ツアー」やってみても面白かったかも……。