ずいぶん昔から巻頭グラビア撮影というものをやってきましたが、今回は初の3台もの911を持ち込んでの撮影となりました。 |
今回のグラビア撮影は、静岡県は日本平。そこで、ニ〜ポンイチのヤマァな富士山をバックに911の写真を撮ろうじゃないか、とカメラマンの犬塚さんを交えた編集会議で決まりました。実は、富士山をバックにしての撮影は、もう何年も前からの懸案でした。この積年の想い、なんとかビシッと決めたい。
ページのネライは2つ。
1. はともかくとして、問題は2.。
富士山がちゃんと見えるかどうかは、その日その場に行ってみなくちゃ分からないんですね。当たり前だけど。
しかし、その日富士山が見えることを確認してからスタートしたんじゃ撮影できない。なにせ、名古屋から日本平まで少なく見積もっても3時間ほどかかる。百歩譲って、富士山が見えることを確認してから名古屋を出発し、現地で撮影を開始したとしても、真昼間な写真ばかりではネライ1.が表現できない。なんとしても、夜明け、朝焼け、お天道様ピカピカな3パターンの写真が欲しかった。
となると、必然的に天気予報をチェックしまくった上で、夜中に見切りで出発するしかしょうがない。
撮影当日の2月アタマ。編集部を夜中の12時半に出発。道中、スカッと晴れ渡っていてくれヨとドキドキしつつ、現地へ到着したのが午前3時過ぎ。ポルシェから降り立ち、緊張しつつお空を見上げりゃ、満点の星また星と来たもんだ。
こりゃイケるゾ、とスタッフ一同色めきだち、73年Sを所定の位置に移動させ、夜明けを待つことに。
73年Sをスタンバイし、“夜明け待ち”に突入して心に余裕が出てくると、改めて周りの状況が分かって来た。
大の字になって、いまどき両手でピースサインをしているのが日比野。年がバレます。向こうにカメラマンの犬塚さんと関が見える。いや、暗くて見えないか(撮影/村越) |
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ひとつは、清水港のネオンがとてもキレイだということ。こんな時間でも、電気って結構点いているものなんですね。ひとつひとつの灯がユラユラと揺らめいて美しい。ほぅ……。思わず溜息が出ます。
そして、もうひとつは異常にサブイこと! ああ、サブッ!! ブルブルブル。
なにせ清水港が眼下に広がるわけですから、サブイことこの上ない。地団太踏むようにその場でズダダダと足踏みをしつつ、夜が明けてくるのを待っていたら、あれ、もしかしたらちょっと薄明るくなってきたんじゃ……。
それ! と一気に撮影に突入。
で、出来上がったのが、今回の巻頭グラビアです。いかがでしょう?