911DAYS メイキング NINE ELEVEN DAYS Vol.3全ポルシェ911魅力再発掘夢のスポーツカーへの回帰 カレラGTをドドン! と見せます
更新日: 2007年02月01日
巻頭特集の『夢のスポーツカーへの回帰』の中で、「911にはカレラGTくらいのインパクトが必要なのだ」と書いた。カレラGTは確かにカッコイイ。それについては多くのポルシェフリークも同様に感じており、本誌にお送りいただいたアンケートを見ていると、多数の方がカレラGTへ興味を持っていることが分かる。
そこで、ここではカレラGTのインパクトのすべてをドドン! と紹介したい。
カレラGT、いよいよ2003年に生産開始か!?
カレラGTが、いよいよ2003年に生産開始される見込みとなった(このコーナーで、ある情報に基づき生産開始を2001年5月と書いていましたが、誤りでした)。ポルシェの経営陣は、カレラGTの最終的な仕上げにかかるコスト500万マルク(3億695万円)を投入することをすでに承認したという。発売直前までロードテストを繰り返し、衝突安全基準を満たすクラッシュテストも実施される。採算ベースに乗せるためにはじき出された生産台数は800台で、価格は80万マルク程度(約4900万円)になる。あのフェラーリF50の生産台数が349台、新車価格が5500万円だったことを考えれば、販売台数はちょっと欲張り過ぎの感もあるが、80万マルクで売ろうとすると800台作らなければ採算が会わないということであれば、仕方がない。
国内ですでにカレラGTの注文をした人の話によれば、本誌Vol.2「世紀末緊急座談会 ポルシェの21世紀を占う」の会話に登場したように、どうやらカレラGTはクローズドボディになるらしい。予約を入れたその方も、まだ詳しい内容は知らないようだが(2001年3月現在)、ともかくどんなエンターテイメントに富んだボディを纏って登場するのか。今から非常に楽しみである。
さて、以下で9月28日のパリモーターショ-で発表されたカレラGTプロトタイプの詳細をお伝えしたい。
前輪後部に設けられたエアアウトレットからは、ラジエターとフロントブレーキを冷却したエアが排出される(ただし、オープンカーでここにエアアウトレットが設けられた場合、ドライバーにカーボンダストやらなにやらが降りかかり、とてもドライブするどころではなくなる。これは、ショーモデル用のパフォーマンスと見るべきだろう)。つまり、フロントバンパー左右に空いているエアインテークの中には、996と同様にそれぞれラジエターがあるということになる。リアホイールハウスに設けられたエアインレットは、もちろんエンジンルーム内に風を送り込むためのもの |
写真ではもちろん分からないが、ダウンフォースを増大させることを考えて、車体下フロント部分をアンダーカバーですっぽりと覆い、リアにディフューザーを装着している。ボディの基本構造は、カーボン製だ | カレラGTは安全性にも十分配慮されている。90リッター容量の燃料タンクは、前方からの衝突による危険から逃れるために、パッセンジャー・セルの後方、ホイールベース内に配置した。911、ボクスターが、フロントのトランクルーム内にあるということと比較すると、安全性の面で雲泥の差があることになる |
ガス放電バルブを装着したバイキセノン・ヘッドライト。この特徴は、ロービームとハイビームの両方をひとつのヘッドライトで行うというもの。ウインカーは、3本の細いネオン管を使用している | ドライバー側とナビ側の頭部保護ロールバー間にハイマウントストップランプが設置されているが、そこにもネオン管ライトが採用されている |
もはや964以降伝統となった車速感応型ポップアップ式リアスポイラーは、カレラGTにも採用されている。120km/hを超えると作動する | |
5500ccV型10気筒DOHCエンジン。エンジンブロックはアルミ合金製。コンロッドにはチタンが用いられている。広報資料には、『このエンジンのただ今のスペックは暫定的なものであり、量産化されるとさらに「改善」(カッコは編集部)される可能性もある』とある。つまり生産型では、さらにパワーアップされるかもしれないということだ |
もはや911とは一線を画すデザインとなったインテリア(911ではないから、当たり前といえば当たり前だが)。ただし、丸型のレブカウンターがメーター中央に配されるのは、ポルシェの公式通り(メーター表示にはTFTカラースクリーンを採用)。室内は、ブラウンレザーとアルミで構成され、いかにも近未来的スポーツカーな雰囲気を醸し出す。ステアリングはスエード生地となる。キーシリンダーは、ポルシェの伝統にのっとりステアリング左側に配置。カレラGTに乗れる幸せなオーナーは、左手でエンジンに火を入れることにより、このスポーツカーが紛うかたなきポルシェ一族であることを確認することになる。シフトは6速 |
特徴的なサイドミラー。92年以降の964に採用された通称「ターボミラー」の発展型という感じ |
V10エンジンをいやが上にも意識させるデザインワーク。ロールバー後方からリアに向かって伸びる「パワー・ドーム」は、ドリルドホール付きのアロイ合金製 |
まさにレーシングカーそのものの足まわり。トランスミッション・ハウジングには、リアのダブルウィッシュボーン・サスペンションのリンクポイントが設けてある。スプリング&ダンパー一体型のフロント・ダブルウィッシュボーン・サスペンションと同様に、ホイール・スプリングとスタビライザーも個別調整が可能 | 超軽量鍛造マグネシウム5スポークホイールを採用。タイヤサイズはフロント265/30R19、リア335/30R20で、前後でホイールの直径サイズが異なる。ブレーキディスク径は、フロント・リアとも380mmで、カーボン素材が使用されている。ブレーキキャリパーは、フロントに8ピストン(!)、リアに4ピストンを奢ってある |
SPECIFICATION
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※カレラGTについて、もっと様々なことを多面的に知りたい人は、Vol.2『世紀末緊急座談会 ポルシェの21世紀を占う』を参照してください。
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