911DAYS メイキング NINE ELEVEN DAYS Vol.6至福のポルシェ・メジャーリーグ!予選リーグの巻、わりと長編。
更新日: 2007年01月31日
ナナサンカレラから996GT2まで、珠玉の9台の911を集めて行った巻頭大特集。編集部は、丸一日至福のときを満喫させていただきました(オーナーさんたちにとっては、長い時間拘束されることになり、ある意味地獄だったかもしれません。すみません)。
巻頭特集は、ポルシェのメジャーリーガーと呼んでもいいスペシャル911を9台大集合させ、それを3つのグループに分けて予選を開催。後日勝ち残ったモデルで決勝戦をし「どれが乗って一番面白いか決めよう!」という、神をも恐れぬ企画です。
ロケと取材は予選から行います。当たり前だけど。
この撮影に備えて、二人のカメラマンさんをお願いしました。ひとりはCG誌、NAVI誌などで活躍中の松本さん。もうひとりは、ポルシェジャパンのオフィシャルカメラマンとして広報写真も撮る望月さんです。
9台のスペシャルポルシェとそのオーナーさんたち&お友達、ふたりのカメラマンさん、自動車評論家の吉田さん、羽根選手、編集部4名。総勢約20名。予選は、まさに大陣容で望む大型ロケです。気持ちはハリウッド、いや角川映画か。嗚呼、戦国自衛隊。
当日のタイムスケジュールは分刻みのものを用意し、万が一の失敗もないよう、前もってカメラマンさん、吉田さん、羽根選手とは打ち合わせはしてあります。編集部は、現地に朝7時半着。朝8時にカメラマンさんふたりと最終打ち合わせを行い、朝8時半にオーナーさんたちに来ていただきます。それから、怒涛の取材が始まり、撮影、インプレッションの終了は午後5時。その後場所を移動して、吉田さん、羽根選手、日比野、関で予選選考会という予定です。
とにかくタイトもタイト。ひとつ歯車が狂うと、予定した取材が消化できません。イコール、特集が中途半端なものになる! おお、コワ。
とにかく気合を入れておかねば。
ということで、気合十分で望んだ予選リーグ本番当日。
「この日は東名集中工事を早朝6時まで行いますよ」という日本道路公団の話を全面的に信用して、編集部員は渋滞所要時間を2時間と推定し、前倒しして午前2時半に編集部へ集合。一路御殿場ICを目指しました。道中、どんな大渋滞が待ち受けているかと身構えていたのに、なんとオールクリア。渋滞なんかナッシング! それどころか、集中工事していると思いこんだトラック野郎たちがほとんど走っていないこともあって、東名ではこれまで見たこともないくらいスッカラカンのガラガラ。道路も綺麗に舗装し直してあるので、走りやすいことこの上ない。ミハエル・シューマッハ並みの予選タイムアタック走行も可能。
日本道路公団のヤロウ、ダマしやがって、とちょびっと憤りを感じたものの、よく考えりゃこりゃ幸先いいんじゃないの! ポジティブシンキングのロケバスの中は、酔っ払いの集団のようにヤンヤの大騒ぎとなりました。
で、御殿場ICを降り、タイヤをご機嫌に鳴らしながら乙女峠を右へ左へとクネクネ登っていたら、雲が割れてアッパレ日本晴れ。それを見て、編集部一同、目にうっすら涙を浮かべたものです。あれは“歓喜のナミダ”だったのか、“車酔い酸っぱいもの込み上げ我慢ナミダ”だったのか。ミハエル・シューマッハ並みに激しくステアリングを操作するドライバーのワタクシ関には、知る由もありませんでした。ともかく、今日はイケるぞ!!
と、予定より二足先に現地到着。
ここまではよかった。
現地で撮影許可申請などを速やかに済ませた頃。
ピロピロピロ……。
ワタクシの携帯に電話です。
なんと、東名高速東京方面下り車線で人身事故発生。大渋滞しまくりで、東名どころかそこに接続している首都高3号線もミクロも動かないとのこと。オオマイガッ!!
74カレラRS3.0に乗り“予選リーグ1”見開きトビラの「並走シーンの撮影」に向かう羽根選手に、ワタクシ関がどのように走って欲しいか説明しています。写真右にチラリと白いダックテールが見えますが、乗っているのは吉田さん |
手前のロケバスの跳ね上げたゲートの中に、カメラマンの松本さんが乗り込んでいます。こちらに背を向けて立っているのが本誌日比野。これも“予選リーグ1”見開きトビラ撮影に向かう直前のカット |
その後、次から次へとオーナーさん、カメラマンさん、吉田さんなどから「絶対遅刻します電話」が鳴り続けます。結局、一番遅く到着したのがこの日の撮影フィルムを管理してくれているカメラマンの松本さんだったものだから、撮影を開始できたのが午前10時半。予定の2時間遅れになっちゃった。ヒーン。
それはともかく、なんとか芦ノ湖スカイラインに集結した9台のスペシャルポルシェ。はっきり言って、ワタクシはこの仕事を8年近くやっていますが、これだけの911が一同に会する場面を見たことはありません。壮観。迫力満点。とにかくカッチョがよろしい。
9台の集合写真は、前もってお願いして用意しておいた上下2台積みの積車の上に松本さんに立っていただき、そこからパシャ。その時撮った写真を、巻頭特集の最初の見開きページで使っています。
撮影開始時は全予定を消化できるか非常に心配だったのですが、オーナーさん、カメラマンさんたちの絶大な協力のおかげで、当初の予定をすべてクリア。なんとか、撮影・インプレッションは予定時刻の午後5時ピタリに終了できました。本当に、協力してくださったみなさんのおかげです。感謝。
本誌GT3のキャプションで、「世界一豪華なGT3」と書いたのは、こういうわけです。GT3のリアには、こんなに綺麗にオーディオシステムが組み込んでありました。もちろん、音も最高に良かった。こういった装備を加えているにも関わらず、カーペットを剥がすなどして重量増はオリジナルの10kgプラスに抑えたオーナー氏の努力に驚嘆
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GT3はフロアも作り直してあり、ボディ同色にペイントしてあるのはもちろん、カーナビシステムのコントローラーも埋め込んであった。このほかに、メーターナセルを作り直し、高速のETCカードがすんなり収まるようにしてあったりと工夫満点。いやはやスゴイ
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撮影が終了してオーナーさんたちとお別れした後、速やかに某リゾートホテル会議室に移動し(ほんとはファミレスだけど)、アンパイヤを務める吉田さん、羽根選手、日比野、ワタクシ関で、厳正なる選考会を開きました。それぞれのモデルに得点を付けて、白黒ハッキリさせるのが企画の趣旨のひとつでもあるので、みんな悩む悩む。最初の1時間は、全員考え込んだまま選考会は一歩も進まなかったくらいです。それぐらい、点数を付けるのは難しかった。そして、それぞれどちらが面白さで上回っているか決めるのはしんどかった。だって、どのポルシェもみんな本当に面白かったのですから。
選考会終了が午後10時半頃。アンパイヤは脱力感でもぬけの殻になっています。どのモデルが予選を勝ち抜いているかは、本誌を見てのお楽しみです。
その後、東名をミハエル・シューマッハばりに全開かまして編集部に帰り着いたのが、午前2時半すぎ。ようするに、この日の取材は24時間かかったのでした。まるで“愛は地球を救う”みたい。
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