911DAYS メイキング NINE ELEVEN DAYS Vol.8グラビア史上、もっとも苦労したロケハン

更新日: 2007年01月31日

今回のグラビアのテーマは「渓流」。本誌が創刊してから都合8冊出てますから、グラビア撮影も8回目になります。しかし、今回ほどロケ地探しに苦労した撮影はありませんでした。「ほう、なんで？」と興味をお持ちの方はここから先をお読みいただければ分かります。「知ったこっちゃねーや」という人は、……そう言わずちょこっと目を通してくださいませ。

さて、リードでも書いたとおり、今回のグラビア撮影のテーマは「渓流」。渓流と聞いてイメージするのは、鬱蒼と生い茂る森の中を流れる一筋の小川……ってなところでしょうか。かなりアバウトな想像ですが、みなさん大体同じような映像を思い浮かべるのではないでしょうか。

　そんなイメージに当てはまる場所を探そうと、地図とにらめっこしていると、ああ、あった。ありました。岐阜県明宝村付近を流れる吉田川に沿って走る「せせらぎ街道」。「渓流」と聞いて「せせらぎ」と返ってくる。なんかベタベタな感じがしますが、まあそれはさておき早速ロケハンです。名神から東海北陸道に乗り換え、郡上八幡ICで降りてせせらぎ街道目指して営業車を走らせます。看板にしたがって走っていくと、だんだんそれらしい景色が見えてきました。

　走るにしたがって民家やコンビニの数も減り、もうちょっと行ったら鬱蒼とした森の中に入るんじゃないのと思いながら十数分、ようやく左手に目指す吉田川が

見えてきました。よしよしこの調子。後はバックがきれいで川のほとり行けるような脇道を見つけることが出きればロケハンは終了だと、馴れない口笛なんか吹きながら走っていると、大変なことに気付きました。

　降りられない。

　そうなんです。ここらへん一帯、洪水対策にぬかりがないようで、川の両脇がコンクリートで固められていたり、川と道のあいだに高低差をつけてあったりと、クルマが降りれるようなポイントがないんです。どこを走ってもコンクリート。コンクリートを避けるため山道に入ると、今度は高低差のワナが待ち構えています。こんなにロケハンに苦労したのは初めてです。なんともならん。ううむ……。

　朝8時に到着してから日が暮れるまで、それこそ山を駆け巡り、なんとか渓流と呼べるようなポイントを4箇所ほど見つけました。その中のひとつが今回の写真の場所です。

　……と、担当者である不肖村越としてはキレイに収めたいのですが、さにあらず。今回のロケ地は、ロケハンで探してきた中のどれでもありません。撮影ポイントは、ロケ日当日に犬塚さんがちょっとロケハンして探してきたところなのです。「ちょっとロケハン」というといかにもお手軽な感じがしますが、それでもこれだけの場所を見つけてくるのはさすが。私が探したものよりもはるかにイメージ通りです。恐るべき眼力。あらためてプロの凄さを知りました。へへーっ。

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