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ポルセキ新聞ポルシェなお便りポルシェゆかりの地を訪ねるグランドツーリング　後編

更新日: 2010年09月17日

ペッキーさんの欧州グランドツーリングの第二回。前編と合わせてお読みください。

ペッキーさんが今回のグランドツーリングを企画するきっかけとなったビデオ、『ポルシェゆかりの地を訪ねて』

　さて、5日目にいよいよ私にとってのメイン、グロースグロックナーです。

　グミュントで356を生産していたころ、ポルシェ博士がテストコースとして利用していた道です。2000メートルまで登っていきます。日本にも素敵な道はありますが、ちょっとスケールが違います。志賀高原のおいしい部分がずっと続く感じ。上の方には、まだ雪（氷？）が残っています。ヘアピンカーブが結構あり、ポルシェ博士、スポーツカーのベストはミッドシップだと思っていたはずです。356が当初ミッドシップだったのも、この道があったからかも。

　グロースグロックナーでは何台ものポルシェを見たほか、多数のオープンカーにも会いました。こんな道をマイRUFボクスターで走ったら、気持ちいいだろうなーーとか、いや、やっぱりこの登りでは大トルクのターボカブリオレかなーーとか、んーーー、カレラGTあたりで、甲高いサウンドを奏でるのもいいかなーーとか。現実は318i、登りは大変でした（笑）。そして、グロースグロックナーを越えて、しばらく走れば、グミュントの町が見えてきます。

　実は今年の旅は、ずっと前に発売されたビデオから思い立ったものです。20年近く前、まだポルシェも乗ってない頃、買ったビデオです。

　ビデオの設定は『ポルシェゆかりの地を訪ねて』。これは、シュツットガルトからスタートして、オーストリアグミュントに行く旅を収めたものです。旅の相棒は、964RS、カメラカーとして968が使われました。このビデオでグロースグロックナーを越えて、グミュントへ行くシーンがずっと脳裏に焼き付いておりました。ビデオの製作スタッフはグミュントで個人が経営するポルシェ博物館に行くのです。そして、私も行きました。”私設ポルシェ博物館” 。

グミュントで個人ポルシェ博物館を経営するフォーファー館長。よく見ると、後ろにはポルシェグッズの山が！　ここはポルシェ好きの宝島です

　ビデオにも登場したフォーファー氏（館長）も元気でした。彼に、日本で用意しておいた彼のビデオ出演時の写真を見せました。びっくりした表情の後、凄く喜んでくれました。当時の取材も覚えてましたよ。はるばる遠方から訪ねてきた私に、一緒に写真を撮ってくれたり、絵葉書を頂いたりしました。

奥に見えるのが、356のアルミボディを叩き出すために使われた木型。お宝中のお宝ですな

　このフォーファーさん所有のミュージアム、一番のお宝は、356のアルミボディを叩き出すために使われた木型です。そして、彼はこのビデオと同じように、ミュージアムから2kmほど先にあるグミュント時代のポルシェ工場跡地を案内してくれました。ありがとうフォーファーさん。

　グロースグロックナーを越えて、グミュントへ、。一生の思い出になりそうです。

　旅の後半は妻孝行です。省略します（笑）。

H.N.ペッキー

【関】ペッキーさんのドイツ本国からオーストリアのグミュントまで、ポルシェゆかりの地を巡るグランドツーリングの後編ですが、前編にも増して羨ましいィィィ！　と痛烈に思いました。というのは、前編のときにも書きましたが、編集部は『911DAYS』Vol.9でポルシェの聖地を巡るということで、ポルシェ本社、旧ポルシェ博物館を含むドイツ各所を取材で回りました。で、実はペッキーさんのように、356の開発に使われたグロースグロックナー峠を通り、グミュントまで行く予定だったんです。しかし悲しいかな、滞在日程などの関係で、グミュント行きを断念したという経緯が……。それにしても、ペッキーさんの「ポルシェゆかりの地を訪ねるグランドツーリング」はまさにポルシェ好き垂涎のルートですねェ。スバラシイ!!